採用について_2022年版
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社の採用をちょこっと手伝っていたので
差し障りのない範囲でどういったことをやっていたか,どんなことを考えていたかをまとめておこうと思う.
経緯はとくになくて,唯一の正社員のバックエンドエンジニアだったので,エンジニアならではの観点でのヒアリングとか見極めとかを期待されていました.
流れは CEO なり CTO に同席して(零細企業なので人事なるものはまだいない),ひととおり社の説明や転職の機運などをやり取りしてから,エンジニアリング関連のヒアリングをしていました.
この流れが一般的なものなのかはいまだによくわかっていません・・
前提
ぼくがやっていたのは,業務委託や中途などの即戦力の人を探すという活動なので,新卒や未経験をいかに見極めるかというところは一切わかりません.
また,いかに多くの転職希望者にアプローチするかや,もしくは見極めまで終わって入社してもらうまでの動機づけや決断を促していくところもわかりません.
あくまで候補者と面談するときにどうしたかということを扱います.
面接でやってたこと
面談でコミュニケーションする必要がある側面は大きく,「社について知ってもらう」「社を好きになってもらう」というこちらから発信する面と,「候補者が十分な技術を持っている」「候補者が業務従事してくれる」というこちらの求めるものを持っているか見極める面とがあります.
こちらから発信する面については,主に次のようなことを含みます.
- 事業の内容
- プロダクトの概要や開発しているもの
- 開発フロー,チーム
どういうことを大事にしてやっているか,なにが共通の価値だと思っているかを交えて話すと,だいたいこちらの考え方のようなものは伝わるはずで,その反応から一定,こちらの発信がうまくいったかどうかが判断できると思います.
また,候補者がどの程度話を聞いて全体感を把握できるかもわかります.
※ 3-5 年以上の業務経験のあるエンジニアだと,この発信側のコミュニケーションがうまくとれない人は厳しく見ていました.弊社は自社でサービス事業を提供しており,少人数で開発をまわしている都合上,業務委託の方であってもある程度は事業への共感といったものを重視している事情もあります.
また,見極めの面については,次のようなことを訊くことが多かったです.
- 過去の担当された開発案件で印象に残っているもの,とくにがんばったと思うものを挙げてもらう
- その案件について,話せる範囲で自分の言葉で話してもらう
- 要件
- システム構成,インフラ構成,チーム構成など
- 使用技術とその選定理由
- 主に関わったところと,なぜそれがとくに印象に残っているか
- 炎上案件や失敗談であれば,いまならどう取り組むか
弊 社の事業における開発は web が主なので,枝葉の技術が出来る出来ないはあまりクリティカルでないと考えており,どういうマインドで業務に取り組んでくれるかをまず見たいので,要件や大きな構成を把握してこれまでの案件に従事してきたかをまず訊くことにしていました.
その人の考え方は第一に過去の仕事に出るので,どういう案件に関わってきたか,その中でどういう役割を担い,どういう意思決定ができる人かを訊くことで,一緒に働いて違和感がない人かどうかを導出することができると考えています.
また,実際に開発したプログラムがどういうものであるかを説明することで,ソフトウェア開発への解像度も大雑把にはわかると思います.
気づき
スキルの自己申告と職務経歴のセットがなによりもものを言う,というのがぼくの今のところの所感です.
技術力を定量的な数値(たとえば偏差値とか)として出すとか,スキルセットとして何ができるできないとか,スキルをだれそれさんが推薦していますとかは最終的に評価からは全部はずしていました.
もちろんこれらも面白いとは思うし,数値の高かったりする人は期待して見はじめたりするのですが,「社について知ってもらう」「社を好きになってもらう」「候補者が十分な技術を持っている」「候補者が業務従事してくれる」を軸にある程度の精度で判断しようとすると,経歴等をみるとこの人いいのになーという人が漏れたりするのです.
たとえば数百人数千人の候補者を一気にスクリーニングしないといけないなどのときには有効なのかもしれません.あくまでぼくの主観に基づく所感だということをお断りしておきます.
形(かた)は作るべきか?
面談に出始めた当初はその人に合わせた面談を心がけよう,と思っていたのですが,最終的に上述しているとおり訊く内容などがかなり固定化しました.
そういう意味では「自然とそうなる」が正解な気がしますね.
ただ,現場の人間が一緒に働く人を見極める,という点では,判断を定量化してこの人はよさそうだったけど,もろもろ考え合わせて xx 点〜というのは個人的には抵抗感があります.
もしくは,他に「いまチームに足りてないのはこういう人」というモデルがあって,モデルと近い得点分布の人を参考に探すとかならいいのかも.
所感
そもそも人と話すのが苦手だし,見極めなんてもっと苦手なので,全然うまくやれた気がしないのですが,採用ってこうやってやるんだへー というのがほんのちょっとわかったようなわからないような・・
人事を専門にやってる人ってすごいんだな,と改めて思いました.